滋賀県の漢方相談薬局

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12月, 2013年

漢方の風音 4号 パウロとザビエル(アトピー性皮膚炎とバリア機能)

2013-12-12

バリトン 中川 義雄

ポーランドのワルシャワでCOP19が行われています(11月12日原稿を書いています)。その最中(さなか)フィリピンのレイテ島を巨大台風が上陸した。

895hPaの気圧で瞬間最大風速95メートル(メディアによっては103メートルと報道)の風が襲い、気圧による海面上昇と風が海面を素早く通り過ぎた為に海面上が陰圧となり上昇した結果数メートルの高潮が襲ったと報道されており1万人近い死者が出るだろうと報道されている。

COP19(国連気候変動枠組み条約締約国会議)で、そのフィリピン代表のナデレヴ・サニョー氏が涙ながらに演説した。今ここに出席している各国が地球温暖化に如何に対応するかが問われており、その結果将来の悲劇を繰り返すか食い止めるかが問われている。…(略)。良い結論が出るまで絶食すると宣言した。サニョー氏は既に3日間絶食していると言う。

一方、日本が脱原子力下で温暖化ガスを押さえながらエネルギーを如何に作り出すかを世界が注視している。

福島の原子力発電所の収束も然りである。この事については日本が最近開発した二酸化炭素の発生を極力抑えた石炭によるエネルギーの確保等、又、発電と送電の分離政策を含めた政治の決断が最重要課題であると最近の文章で書いた所です。

 地球温暖化は自然現象のみならず人間の健康生命をも脅かしている事も顧慮しなければならない。惹起している症状の第一は多汗症であり熱中症であろう。

 漢方医学では温暖化は健康生命に対して、汗の不快感のみならず様々な病的症状を引き起こすと考えている。

口渇を解消したいが為に摂る水、清涼飲料、ペットボトルで摂るお茶等はお腹(中焦、下焦)を冷やすことになるし又湿邪が発生する事にもなる。

最近京大病院の皮膚科が発表した皮膚バリアに関与している蛋白質(フィラグリン)の低下によるアトピー性皮膚炎も惹き起こされるし、ニキビ、不妊症、免疫力の低下等も惹き起こされると考えられる。又、湿と熱が関与している前立腺ガンの発症にも繋がっているであろう。

 漢方薬でアトピー性皮膚炎の治療を実践している施術者は昔から絶えず皮膚のバリア機能を高める事を念頭においている。今に始まった事では無い。最近、汗を多くかくと痒みが強くなる患者さんを多く見かけます。この様な患者さんには桂枝湯と黄耆、茯苓を同時に服用して頂きます。(この手法を漢方では「解肌(げき)」と言います)汗が減じ皮膚が綺麗になってきます。この場合恐らく皮膚バリア物質フィラグリンが多く作られているのではないかと想像しています。追試が待たれます。

 今から十数年前、京都のホテルで薬剤師の漢方調剤研修会が有り、演者を務めた事が有ります。

私の講演のあと昭和薬科大学教授田代真一先生が研究の一端を講演されました。

漢方薬が効く事の薬理学的(科学的)解明であった。先生は講演後の食事会で私の傍にお出でになりに私のコップにビールを注ぎながら…

“先生(私の事)頑張って多くの患者さんを救ってあげて下さい、先生はパウロです。私(田代先生)はザビエルとなってエビデンス(証拠、根拠)を確立し、医療界を納得させますから…”と話された事があります。

 これからは西洋医学と東洋医学が“真の”合体をした新しい感性を持った医療が待ち望まれている様に思います。

西洋医がむやみに漢方薬を処方するのではなく、人の“心”を中心に据えた真の東西合体医療が待ち望まれているのではないでしょうか。

大津男声合唱団 monthly booklet 「ハーモニー」寄稿文より

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