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漢方の風音 5号 認知症と漢方薬(めまい、耳鳴り、不眠、高血圧)

2014-07-29

バリトン 中川 義雄

 以前の漢方の風音の凌霄花(ノウゼンカズラ)の所で書きましたカギカズラ(釣藤)には,枝から鈎が伸び出て、他の植物などに絡みつこうとする性質が有ります。

枝部には有効成分が少なく、鈎部にリンコフィリン(アルカロイド)なる有効成分が多く含有されております。その鈎が伸びきらない内に採取して薬用に使用します。

最近の分析では葉部に、より多くのリンコフィリンが含有している事が解って来ましたが漢方薬では鈎部を使用します。従って生薬名は釣藤鈎(ちょうとうこう)と言います。

リンコフィリンは血管を拡張して血流を高める作用が2重盲検法で確かめられております。又、精神を安定させる作用もあり、最近では脳血管性認知症に釣藤散を使用されておられる薬剤師、医師が多く見受けられます。

釣藤鈎の働きを漢方医学では“鎮肝熄風(そくふう:風をしずめるの意)”作用と言っており、高血圧、頭痛、子供の夜啼き、耳鳴り、眩暈、不眠等を目標に使用します。気が上衝するのを引き下げる働きがある訳で、謂わば、気の“頭でっかちを”正常に戻す働きと考えると解りやすいと思います。

 

 漢方医学では気・血・水を多角的に弁証します。気と血の上衝を同時に治そうとすれば通導散も認知症に使用します。

気と水を同時に治そうとすれば加味温胆湯になるわけです。

ストレス等で気の滞りが有って血流が悪くなっていて認知症を発症していると弁証出来たら?帰調血飲第一加減を使用します。(他にも有りますがここでは割愛します)。 総じて、体や脳に悪い影響を及ぼす事無く脳血流を良くする治療を漢方薬はやってのける訳で、現代医学では難しい所です。 最終的には肝、心、脾、腎、肺の五臓の弁証をしっかり行い処方の決定をするわけです。

 

 端を更ますが、呼吸は肺のストローク作用に因るわけですが、漢方医学では呼と吸に分けて考えます。

呼は肺の気が司っており吸は腎の気が司っていると考えます。

腎と言えば老化と密接に係っており、深呼吸や調息法、丹田呼吸法、太極拳、ヨガ等が老化を防ぐ目的で、日本でも最近よく行われております。

我々合唱団では4小節をノンブレスで歌いなさいと良く指揮者の先生より注意を受けますが自分の腎を養う為にも歌の表現の為にもしっかり腹式呼吸を体得すると一石二鳥であろう。

 

 然し乍ら、声帯その物の強弱が個人個人で違います。それによって声帯の振動の効率も違ってきます。

胸隔が狭く、その上、少しの肺気で効率よく声帯を振動させる事が不得手な私は“4小節をノンブレス”で歌う事が結構難しく、団を辞めようかと真剣に考えた時期がありましたが今は開き直っております。

2小節で感情を切らない様に歌う事を意識して居ります(笠谷先生曰く5~6人いるらしい)。

BS日本 こころの歌 で気をつけて見ていると、フォレスタでさえ2小節でブレスをしていることが結構見受けられますが(我が団と同じ曲目で…)ブレスの仕方が上手く、詩情は繋がっています。紙面を借りてExcuseしておきます。

 

 肺と腎の気が虚して来ている年齢の集団の合唱団であれば、それなりの(レベルがそれなりでは無く)特質を考慮して、より高度なハーモニーを目指す事が肝要ではないかと自分なりに考えております。

お仲間のお一人がメールのやり取りの中で認知症の漢方薬を教えて欲しい旨の言葉が有りましたのでこのタイトルで書いて見ました。

大津男声合唱団 Booklet「ハーモニー」寄稿文より

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