アトピー性皮膚炎・滋賀県・漢方薬 | なかがわ漢方堂薬局

〒520-2153 大津市一里山2-14-13 一里山ユーベルハイム2F

Posts Tagged ‘腰痛’

漢方の風……腰痛

2024-03-07

なかがわ漢方堂薬局 中川義雄

梅の花が咲き誇るこの季節は寒暖差が大きく、冷えと湿気に関わるしびれや痛みの疾患が発生します。
冷えだけなら冬の方が発生率は高いのですが、如何せんこの時期は雨が多く“冷えと湿邪”が一緒になって身体を侵襲します。

冬は運動不足になり筋力が低下しており加えてこの時期は“冷えと湿邪”が相俟って腰痛を発生します。特に、フレイル(加齢により心身が衰える事)によるところの腰痛が社会問題にさえなっております。

漢方医学ではこれらの原因を解消して腰痛を治療します。この治療を漢方医学では本治(単に鎮痛剤で痛みを抑えるのでは無く原因を解消して、つまり体質を改善して痛みを出にくくする)と言います。

 ①当帰、芍薬、川芎、地黄 … 血行不良を改善します。

 ②人参、茯苓、甘草、生姜 … 消化吸収と水の代謝を高めてその結果、血液や筋肉を充実します。

 ③独活、細辛、桂皮、等 … 直接、痛み、痺れ(しびれ)を和らげる。

 ④桑寄生、杜仲、牛膝 … 筋肉と骨を強くします。

①、②、③で寒暖差による冷えと湿邪を解消し痛み、痺れをとり、④で筋力と骨を丈夫にして総合的に腰痛を改善します。 

壮年期は勿論、プレフレイル、フレイル、どの状況においても腰痛を改善出来ます。

漢方の風音 2号 腰痛、ヒザ痛、脚弱、尿不利

2013-06-09

バリトン 中川 義雄

 人間の老いは目及び下半身からやって来ると言われて居ります。私も最近、頓にその衰えを実感している所です。漢方の言葉ではそれらの弱りの事を“腎虚”といいますが、腎虚になると脳細胞の衰えは先ず有ります。又、腎機能の衰えも読んで字の如く有りますが、副腎(副腎ホルモン)の衰えも含んでいるのが漢方医学の考え方の特徴です。従って副腎の機能である糖の代謝、ミネラルの代謝(尿量、血圧と関係します)は勿論の事、排尿困難、排尿異常(漢方用語で尿不利と言います)も骨の代謝(骨を丈夫にする)も弱ってきます。更に“肝腎要め”の言葉通り東洋医学では肝と腎は母子関係にあり、肝もそれに連れて弱ります。そうすると、肝と腱は元々深い関係が有るので骨を支持している筋肉も弱って来る。かくして腎が弱ると一連の老化現象(下半身の弱り、躓きやすい等)が現れるのである。これら一連の関係は漢方用語で〝腎は骨髄(こつずい)を主る〟と言う言葉に帰着する。

腰痛、ヒザ痛、骨粗鬆症、脊柱管狭窄症は“骨”(こつ)であり 物忘れ、シビレ、パーキンソン病は“髄”(ずい)である。だからと言って物忘れ、パーキンソン病を治そうと腎を強化してもそう簡単には行かない。認知症、パーキンソン病は心も脾も絡んでいるし、血流も絡んでいるからである。

 風邪の引き始めは、先ず悪風、悪寒(所謂さむけ)がします。又それと同時に関節(ふしぶし)が痛む場合が有ります。風寒と言う“さむい邪”が体表にとり付いたが為に“寒さ”を覚える訳であり、同時に関節にも風寒の邪が襲ってくる為に腰痛、ヒザ痛、顎関節痛もおこる。この様に風邪のひき初めと各関節痛とは大いに関係が有ります。そこで腎虚による痛みなのか風寒の邪による痛みなのか、どちらも絡んでいるのか若しくは全く別の問題が絡んでいるのかを良く弁証します。

体表(皮下)は前述しました様に関節と同じなので、膝関節に水が溜まると体表にも水が溜まる場合が有ります。乃ち、浮腫んで来ます。そのむくみは漢方医学では虚腫と言って力のない浮腫みである。整形外科で水を抜いても、又、溜まってきます。漢方薬で体表の水をぬいてやると関節の水も抜けていきます。虚腫は漢方に熟達してくると皮膚の虚実や顔貌と絡めて膝を診るとよく分かります。一方、膝の腫れに実腫が有りますが、この場合は顔が腫れることは先ず有りません。整形外科ではこの様な概念が有りませんので漢方医学の方がより実態にあっており、うまく治せると筆者は確信を持っている。

大津男声合唱団 Booklet 「ハーモニー」寄稿文より

ページ最上部へ

Copyright© 2013 なかがわ漢方堂薬局 All Rights Reserved.