3月, 2024年
漢方の風……腰痛
なかがわ漢方堂薬局 中川義雄
梅の花が咲き誇るこの季節は寒暖差が大きく、冷えと湿気に関わるしびれや痛みの疾患が発生します。
冷えだけなら冬の方が発生率は高いのですが、如何せんこの時期は雨が多く“冷えと湿邪”が一緒になって身体を侵襲します。
冬は運動不足になり筋力が低下しており加えてこの時期は“冷えと湿邪”が相俟って腰痛を発生します。特に、フレイル(加齢により心身が衰える事)によるところの腰痛が社会問題にさえなっております。
漢方医学ではこれらの原因を解消して腰痛を治療します。この治療を漢方医学では本治(単に鎮痛剤で痛みを抑えるのでは無く原因を解消して、つまり体質を改善して痛みを出にくくする)と言います。
①当帰、芍薬、川芎、地黄 … 血行不良を改善します。
②人参、茯苓、甘草、生姜 … 消化吸収と水の代謝を高めてその結果、血液や筋肉を充実します。
③独活、細辛、桂皮、等 … 直接、痛み、痺れ(しびれ)を和らげる。
④桑寄生、杜仲、牛膝 … 筋肉と骨を強くします。
①、②、③で寒暖差による冷えと湿邪を解消し痛み、痺れをとり、④で筋力と骨を丈夫にして総合的に腰痛を改善します。
壮年期は勿論、プレフレイル、フレイル、どの状況においても腰痛を改善出来ます。